ツッコミどころ満載の”ゲームと金”が予想以上に大きなムーブメントを起こしてくれたようだ。
正しくプロゲーマーをプロとして会社(チーム)に雇い入れる流れができつつあるようだ。

まず大きなニュースとしては吉本興業のeスポーツチームの参入だろう。
吉本興業がe-Sportsに本格参入―プロチームを立ち上げ『Dota2』『シャドバ』などへ参戦【gamespark】

お笑いの芸能事務所として知名度が高い。
近年ではよしもとがkindleなどでの電子書籍の出版コンテストなどを開催して、次世代のエンタテインメントコンテンツの囲い込みをねらっているように見えるが、これもその一環だろう。

ただ注意してほしいのは、Dota2、オーバーウォッチ、シャドウバース、ポッ拳~~と、それぞれですでに活躍しているチームのレンタル移籍的な扱いな点だ。
日本eスポーツリーグの東京ヴェルディのオーバーウォッチ部門のような扱い。その知名度があって注目された東京ヴェルディは今季は成績も悪い。レンタル移籍的な参入というものがあまりあてにならないという証拠だろう。
よしもとデトネーターも外国人が中心だということなので日本である意味が全くないように思う。その外国人が幕間でネタでも披露してくれるなら吉本の意味があるかもしれないが。

ただ大きな前進点もある。
ジョビン・西澤佑太朗・小池龍馬という3人の吉本の専門学校卒業生は給料制となっていて、賞金が自分のものになるのはもちろん渡航費用などもサポートされる。

JeSUなどで問題になっているものとは違い正しいプロゲーマーの形になっている。
仕事としてプロゲーマーをやって給料をもらい、”自称(偽)プロゲーマー”にサポートされている渡航費用も当然負担される。

ただたった3人だ。そのうえショビンとかいう”しこ名選手”も居る。
当面は昔ハンゲームに居たスペシャルフォースプロゲーマー程度のものと考えたほうがいいかもしれない。

だがこんなニュースも。
『シャドウバース』プロリーグ誕生!選手は最低月収30万円保証…auなど4社が参入へ【gamespark】

個人的にはシャドウバースのようなガチャカードゲームをeSportsタイトルとは認めたくないが
1)月額30万円の給料制
2)abemaTVでの中継
3)そしてその番組から成績優秀なチームには年間インセンティブとして総額2,000万円がリーグから支払われる

これはプロ野球などでもある普通のプロチーム制度になっている。前回の記事でも書いたようにネット番組での放送とその番組の制作スタッフとしての給料というある意味正しいスタイルだ。

さらに前述の”よしもとLibalent”というチームも入る。
つまり吉本自身が給料を出す3人のプロゲーマーと、サイバーエージェント等が給料を実質的に出す3人+リザーバー1人の4人のプロゲーマー。合計7名のプロゲーマーを抱えることができるという事になる。

他にもクラッシュ・ロワイヤルというゲーム公式のプロリーグが立ち上がり、今年の年末までの契約で給料制のプロリーグが立ち上がるようで、こちらもJeSUとは関わらないことを明言したうえで展開している。

良くも悪くもJeSUの訳の分からんプロゲーマー資格が新しい流れを作ってくれたのは確かなようだ。

そしてこのタイミングでJeSUの混乱の元凶ともいえるファミ通で10ページ以上の特集が組まれた。
内容はゲームと金で述べた内容をそのまま文字起こししたようなもの。

とりあえず私が注目したのはQ3
JeSUのプロライセンスがないと、大会に参加した報酬はもらえないの?
という問いに、
必須ではありませんが、あった方が報酬と見なされやすくなると思います。

・・・あった方が報酬と見なされやすくなる・・・・・・と思います

はぁ?何のためにあるのそれ?!

ここで思い出してほしい。格闘ゲーマーはきもちのわるい”しこ名”で活動している。吉本のプロチームでさえそうだ。

つまりJeSUのメリットはキモイしこ名の悪党ゲーマーが賞金じゃなく報酬を”裏で登録した本名とマイナンバー”で受け取れるってだけのシステムだと考えれば、絶対本名出さない悪党ゲーマーの皆さんにはメリットあるんじゃないか?

あ、悪党じゃなく格闘だねw

結果的に匿名でプロゲーマーをやるためのシステムだと考えれば納得がいくのではないだろうか。

もうJeSUはそれでいいだろう。むしろこれで他の給料制プロゲーマーは全員本名でなければ活動してはいけない・・・ぐらいの流れにしてほしいところだ。

【追記】
Jリーグがe-Sports大会の初開催を発表―種目は『FIFA 18』で3月30日より「明治安田生命 eJ.LEAGUE」予定【gamespark】

こんなニュースも。
日本eスポーツリーグに参加している東京ヴェルディもJ2のままなかなか昇格できないし、そもそもFIFA以外”やりたくない”からオーバーウォッチ部門はレンタルという形をとったんだろう。
これ自体は世界大会の出場権をかけたものなので、単なるゲーム大会で、賞金も世界大会への渡航費用等サポート程度でいいだろう。”J1のサッカー選手と同じユニフォームが着れる”以外はあまり意味がないかもしれないが、eスポーツの健全化のためには重要な転機になるかもしれない。

逆に言えば日本eスポーツリーグの意味が大幅に低下してしまった気がする。
明治安田生命 eJ.LEAGUEがJ1で、日本eスポーツリーグがJ2扱いになるかもね。というか日本eスポーツリーグにFIFAの選手残るの?