前回、ネットカフェというコミュニティの可能性について書きましたが、日本ではどうしてもビジネスとして
どう展開するか?というのが難しいところでしょう。今回はそのあたりに関する”安価なアミューズメント施
設としてのサービスの向上”に役立つ、もしくは付加的な利益を得る可能性のあるサービスなどについて考え
てみたいと思います。
深く解説すると長くなりそうですので箇条書きで簡単に説明しますが、これぐらいの可能性はあるのではない
でしょうか?

■オンライン対応ミニゲームの開発とゲームデータを会員データと連携

一般的に多くのネットカフェ・マンガ喫茶が犯罪防止のために会員制をとっていますが、こういった個人情報と
ゲームデーターを連携させていきます。
これによって単なるオンラインゲームではなく、例えばコナミがアミューズメント施設向けに開発している
e-AMUSEMENT対応ゲームのような展開が可能となります。
最初はファミリーレストランのタッチパネルゲームのような簡単なゲーム・・例えばクイズゲームやミニゲーム
程度でしょうが、これらが実現することで”ゲームセンターより割安”という印象を与えられる可能性がありますし、ゲームごとにカードを購入してのデータ保存や携帯コンテンツとの提携が必要なくなります。

■3D液晶対応ゲームをいち早く導入
まもなく量産されると思われる3D表示が可能の液晶ディスプレイをいち早く導入していくことで、ゲームセンター以上に価値のあるサービス、ゲームコンテンツが提供できるようになります。
またそれに対応するゲームも導入し、可能なら対応ゲームも開発します。

■オンラインゲームメーカーと提携しクローズドβテストなどを提携カフェのみで行う
日本は自宅で遊ぶオンラインゲームは”無料”というイメージがついてしまっています。それは各種オンラインゲームがベータテスト段階では無料であり、正式スタートするころには飽きてしまっているという状況がそうさせていると思います。
ゲームセンターで言うところのロケテストのような状態にするためにも、少なくとも日本では最後のオープンβ以外は特定の場所で出来るようにすべきだと考えます。

■中古のゲームセンター用ゲームを一部導入。フリープレイにする。
このあたりは風営法の7号営業とからむので、簡単には出来ないかもしれません。
ですが、時間制入場料だけでフィットネスや釣堀などが楽しめるようなアミューズメント施設も最近は出てきているので、敷地面積の制限内で2,3台導入する分には有効だと思います。

■クリエイター教育の出来る施設にする。
今あるゲーム系の専門学校や美術系大学などはやはりハードルが高いと思います。
ここではそういった教育を”クリエイター教育”と呼びますが、そういったものを専門学校のように高い授業料を取るのではなく、たとえばピアノや習字の稽古事のように子供が趣味でゲームを作ったりするようなことを学べるような環境になりうるのではないでしょうか?

■IP電話やBBプロパイダーの契約窓口
携帯電話加入者も頭打ち状態です。IP電話に関しては電話会社の利害的なものがありなかなか進まないでしょうが、結局は徐々にIP電話に代わってくるのではないでしょうか?その販売チャンネルとして将来有望だと思われます。

■トレーディングカードやアイテム交換の窓口業務
ゲーム系トレーディングカードやゲームソフトの買取・販売などの業務など。これに関してはある程度商品知識が必要な為、簡単には出来ないかもしれません。最初は無料か安価に交換の仲介的なサービスを行えば(レンタルショーケースなど)商品知識も徐々に生まれてくるでしょうし、ファンには店に通う動機付けになります。マンガ喫茶などでもネットオークションへの出品代行サービスとかをやってるところはありますよね。

■個人制作のコンテンツの代金回収
個人製作のコンテンツダウンロードサービスというものが現在いろいろなサイトであります。
ですがこういったサイトで売れるものはアダルトが中心ですし、低額の商品は”ネットでの決済手数料”という大きな障害がありますのでなかなか気軽にはいきません。
例えば低額のダウンロード商品をネットカフェの独自の決済サーバーを使い、店頭で直接支払うことが出来ればダウンロードサービスを提供する側のコストを飛躍的に圧縮できるのではないでしょうか?

■他のネットカフェのWEBサイト作成業務
独自のスタートページとして制作するWEBページをゲーム情報関連に関しては濃度の高いWEBマガジンにすることで非常にクオリティと集客効果の高いWEBサイト作成の業務が出来るかもしれません。
特に今あるマンガ喫茶のWEBサイトはオンラインゲームなどに関してとても知識があるとはいえないお粗末なものがほとんど。
はっきりいって趣味でゲームをやっているプレイヤーには価値のないものでしょう。
店員などのゲーム関連知識が向上することで趣味のWEBサイトを店舗側が正式なコンテンツとして生まれ変わらせることが出来れば、将来的にはWEBページ単独での利益も上げることも出来るかもしれません。

・・といった感じで思いついた可能性を羅列してみましたが、かなり可能性はあると思います。
結局はデジタルの窓口が”商品知識”しか”ない店員ばかりの家電量販店”だけだということが問題でしょう。
パソコン教室と学校のIT関連授業以外のハード的・ソフト的な窓口が”今”求められているのではないでしょうか?