今敏監督作品。
今回は脚本的な要素と表情の表現に注目すべきか。
今敏監督作品と言うと曲がったヒロイン話という印象。近作もはっきり言ってヒロインがちょっとオデブでホームレスとかなり曲がっている。オデブなところはホームレス生活を続けていたことでちょっとヒロインらしくもなるが、家出少女というにはあまりに曲がっている。
しかしながらいつのも難解なものではなく、家族という一般的に理解しやすいテーマを扱って素直に楽しめる作品になっている。
ただ逆に言えば素直すぎてとっかかりがないんだよなぁ。アニメである必要があったのか？とか思う部分もあるし、実写でやったら古臭い邦画に近いんだよね。
ここの古臭い邦画はいい意味での古臭さなんだが、正直高井 研一郎版のプロゴルファー織部金次郎を実写映画より先にアニメで見たと言う印象なんだよね。その辺は今回、芸能人声優がハマりすぎてたせいもあるかもしれないけど。
なんか今回はまったり感もあるのだが、パーフェクトブルーみたいに見て気分が悪くなる事もないだろうから、今敏監督作品の入門編としていろいろレベルが高くてオススメできる作品です。
しかしすごい上手いんだけど、恋愛とか描くの苦手そうだし、毒がないならないで特徴がなくなる困った監督だなぁ。
追記：特典映像に特番が収録されてたけど、まあ監督も分かってるのは分かる。けどアニマックスの特番だし、そこで俳優がアニメに否定的な発言（でもこれはいい）を言うのはよくないよなぁ。
興味があっても「おまえら美少女とメカと爆発が見たいんだろ？たまにはコレでも見ろよ。バカには分からんかもしれんが」と言ってるようなもんだ。
アニメファン的には最後の最後で気分を悪くさせてくれちゃうだろうなぁ・・このイヤ特典。（笑）
海外で受けてることやリアリティも含めて、これはこれでファン層がまったくいない分野なので市場を新たに作らなきゃ今後も永遠にヒットしないかも。ある意味ジブリファン市場みたいな。
パーフェクトブルーも千年女優もＴＶ放映向けじゃないだけに、これが夜の映画番組枠でＴＶ放映されて次の作品が本当の勝負かもね。
少なくとも現状いるアニメファン向けの作品じゃないよ。