泣けるアニメというのは本当に珍しい。日本のアニメがTVシリーズ中心だと、毎週毎週途切れる形式ではドラマチックなものは難しいのかもしれない。
私自身、ファランダースの犬もほたるの墓も泣けなかった。CMでぶつ切れになるTV放送が先だったせいかもしれないが、そんな中私自身唯一といえる”泣ける劇場アニメ”だ。(ドラえもん のび太の海底鬼岩城の方が先だけど、見たのは子供の頃だったからなぁ)

今ではジブリブームともいえる状態になっているが、そのまえに”ポストジブリ”的な作品制作を目指したアニメ。そしてナウシカにも参加した故小松原一男氏の実質的遺作になった作品でもある。
個人的には電通プロモーションになってからのジブリ作品に良さを感じなかったのだが、今のジブリ作品に足りないものをこのアニメが教えてくれたような気がする。それはやわらかいアナログタッチの作画と、”アニメ声優”ではない新キャラクターとしての新鮮さのある声優などのジブリらしかった部分がなくなってるせいではないだろうか?
ホーホケキョ となりの山田くんなどはデジタル環境でジブリ自身が取り戻そうとしながらもストーリー性が両立しなかったが為に、”失敗作”という評価を受けているように思う。これもそれなりに古い作品ではあるが、高い評価を受けているジブリ作品同様、これは確かに両立できていたように思うのだ。

スタッフにおいてのうんちくは、いいとしても間違いなく名作であり、同時にほとんど知られていない作品でもある。それは芸能人の原作と声優参加や、監督である佐藤順一氏が後半は他の作品に入ってしまい代表作として言えなかったという面もあるだろう。

今でも有志による上映会などが行われている。まずは一度見てもらいたいものだ。