アマプラでオススメに出てたのでなんとなく視聴。

上にもリンクつけてるけど趣味で焼肉サイトを作ろうと思ったものの、書くことなくて割と放置してるんだよな。
そういういいニクいことを割と言ってくれた感じの映画。
意外とよい。

序盤は謎のいい店を見つける能力を持った超能力戦士の話だと思ったらそうでもなく。

ネタバレ含めて書くと、主人公のサーチ超能力イケメンが子供の頃、一人で焼き肉屋を切り盛りする忙しい母親から家出。そして母親がガンで闘病してることも知らず、食レポライターしながら自分の食レポが夫婦経営のパン屋を潰すという困った糞野郎。
いい店を見つける謎能力を知ってる編集とうんちく言ってる有名食レポ野郎はホルモン出す母親の仇のように”ホルモン日曜日に出す店は死ね”記事の関係者。

究極焼肉サイトの記事作成の依頼をやると言ったり辞めると言ったり忙しい中、テキストが舞ううんちくバトルを展開するが…実は親の店でぬか漬けに洗剤振りかけて食中毒起こしたのは主人公の糞野郎だった!ついでに出ていくときに大切なぬか床のカメを割りやがった!!!

糞野郎は反省して母親にあのぬか漬けを食べさせたいと思いぬか床をもらってくるけど出来上がらず。

母親は闘病の末亡くなりました。

・・・・あれ?褒めるとこなくね?

でも母親がいい人すぎた。おいしそうに食べるだけでありがとう。生まれてくれてありがとう。
そういう映画でした。

芸人の監督の映画の割にはよかったと思う。
結果的には失敗したっぽいけど、明らかに金かかってない感じの人情映画なので悪くはないんじゃなかろうか。

焼肉うんちく的には大体正解だ。少し遠回しに描いてるけど。

炭火焼肉は火力調整が難しい。ガスロースターの方がアリだ。
そしてタンはまず国産はない。国産が出せるような店は都道府県とかの県単位で1店舗あるかないかだ。そりゃ一頭から”舌”の塊が1つしか取れないんだからね。国産厚切りとか何馬鹿なこと言ってんだと。もちろん国産じゃないので全部冷凍だ。

解凍は結構大変だ。うっかりすると丸ごと一本ダメになる。
もちろん電子レンジで解凍するにも季節やその日の気温によって解凍時間は異なる。

でもな・・・食わずに出ていくなよ。
いただきます!って感謝して食い始めてそれかよ!!

ホルモンというか知ってるのでは塩でもよく食べる上ホルは確かに仕入れ日とその翌日ぐらいまでだ。冷凍すると結構味が落ちやすい。日曜日にはそんなに残ってないのでホルモンミックスに入れて提供しちゃう。レバもレバ刺しがあった時は同様だ。
だが昔に比べて冷蔵庫とか真空パックの技術も上がっている。こっちは精肉場の問題だが。
パック状態のものを出来るだけ扉を開けない冷蔵庫で保存すれば日曜日でも出せる。
食肉加工業者が進化しているってのが大きいんだよね。昔はレバもなんか生暖かったり、国産タンは皮むいてないそのままのものが焼肉店に届いて気持ち悪い奴だったが、今は加工されて真空パックされてるので、保存とパックの開封日で1日ぐらいなら味を保てるもんだ。

だから一見さんお断りシステムというのは客が注文する肉が分かってるからこそできるものでもある。ハラミとかもタン同様に国産は希少過ぎる部位なので提供が難しいが、予約制だからこそ出せるというのもあるだろう。

あとお客を見て出す薄切り焼肉屋。
結局のところ高級なお肉でないと美味いという評価につながりにくいので、たれと薄切りで高い肉を出来るだけリーズナブルに出すって感じだろう。ただ薄すぎるので焼き方を指導する必要がある。

まあなんだ。
韓国の焼肉は特にそうだけど、あっちは堅くてまずい肉をいかにおいしく食べるか・・なんだよね。サムギョプサルみたいな豚肉を野菜に巻いて食べるとか。

日本は少し高級路線に行き過ぎている感じがある。

なんでキムチじゃなくてぬか漬けなん?サンチェじゃなくキャベツなん?って思わなくもないが日本の食文化としての焼肉を大切に大切にしつつ、高級焼肉で立派なお店一辺倒に状態にちょっと遠回しなアンチテーゼを投げかけている印象は感じました。

まあ殺人ユッケの件もあるし日本人経営者による利益重視の焼肉店が”悪”とされるべきもの・・・という感じは無きにしも非ずだが、焼肉ドラゴンとか在日韓国人視点を中心にするべきでもないと思うしな。

日本の焼肉を考えるにはいいきっかけになるかもしれない。