ウマ娘のガイドライン再告知で二次創作の是非が話題になっているようなので、以前出来るだけ短く説明する為のポストを再掲載してみよう。

1条:二次創作でも著作!権利がある。だが責任もある!
2条:普通に働く以上に儲けることなかれ!
3条:リスペクト不要!まず原作を購入せよ!そして原作を超えよ!

1条:二次創作でも著作!権利がある。だが責任もある!

人間が描く以上二次創作という著作物だ。権利もある。だが責任も生じる。
警告されたら止めるべきだし、そもそも警告とかされる前に著作者が嫌がるようなことはするな。著作者が自分で出来ないこともだ!ズルいぞ。

エロが代表といえるだろうな。
個人的にはゲームなど法人が権利を持つものは2条に反しない範囲でやるならいいと思う。
その同人誌とかをスタッフに読んでもらいたくて会社に送ることができるようなものだけが許されるって感じかな?

あくまで昔のゲーム会社の話だけど、アンケートはがきや同人誌とかは会社の入り口とかに掲示されたりおかれてたりしたぞw
二次創作の同人誌送り付けられて、それがきっかけでシナリオライターとして就職したりね。
だが、ウマ娘など権利をもっている会社が最初からガイドラインを出してやるなと表明しているものはやるべきではない。
実際に今は話題になるような作品はすべてガイドラインでアダルトは禁止されてるといっていいので原則的には二次創作でのエロはやるべきではない。
だから皆、エロをやるならオリジナルになった。

2条:普通に働く以上に儲けることなかれ!

基本的に金儲けするな。今はネットがあるのだから無償公開で原作を応援しよう。
だが同人誌などのコミュニティの為の頒布活動など、1円たりとも儲けるなという気はない。自分で描いたものは二次創作の著作者だ。
だからこそ上限を定めるべきだ。原作者以上の利益にならないように。
個人的にはその労力に見合わない金額であるべきだ。

許されるのは最低賃金以下・・ぐらいではないかと考えている。
普通に働いた方がマシな金額。

<注意点>
■グッズ類は公式の出しているグッズの偽物扱いになってしまう可能性が高い。基本的には少額でもやってはいけない。そもそも自分で描いた絵が著作物として認められない可能性が高い。
イラスト単体での収益化は避けるべきだ。

■ダウンロード販売などではいくらでも売れてしまう。
作成にかかった作業時間をメモしておいて、住んでる地域の最低賃金を上限ぐらいで販売終了する方がいいのではないかと思っている。

■支援サイトは二次創作中心ならやるべきではない。あくまで作家への支援という名目なので、原作人気を自分が人気を得るためにかすめ取っていると考えることもできる。
もし仮にやるならトータルでの収入が最低賃金以下を守るべきだが、それよりも自分自身のファンを集めるべきだ。

3条:リスペクト不要!まず原作を購入せよ!そして原作を超えよ!

リスペクトしてるから、放送をアニメを見ただけで原作買わないで同人活動していい~というわけではないだろ?まず買え。リスペクトするより金を出せ。
その上で原作以上を目指せ。

ハッキリ言えばそれなりの技術があれば原作以上になる。だって自分で描いているんだから世界中で一番、原作以上に自分好みになる。ある意味あたりまえ。
でもそれがプロを目指す為に一番重要な”錯覚”だと思っている。

そういったプロ以上だと思い込むことこそが次世代のクリエイターになるきっかけになる。

だから漫画などの業界では比較的寛容な印象を受けるし、場合によってはいい原作を付ければ作画として活躍できるかもしれない。

逆に言えばリスペクトし過ぎて絵がそっくりになるのもよくないのだ。
原作の上を目指せ。

知って欲しい事

一番知って欲しい事は著作権というものは人間が創作物として描いた時点で自動的に発生する。下手でも関係ない。ベルヌ条約で昔から決まってるし、100年以上前から日本は加盟している。
二次創作でも同じだ。

もし二次創作に著作権がなければ~
>同人誌買い集めて勝手に複製して怪しい本屋で売る
>同人誌を無断アップロードして、広告を張り付けて収入を得る
>公式の出版社が同人誌を集めて勝手にアンソロジー本を出版する
~~こういったことがまかり通ってしまう。

少なくとも二次創作の作者は二次創作の著者として、たとえ原著作者側が裁判を起こしても裁判で争う事が出来る。

任天堂のユンゲラー裁判とかが分かりやすいだろうか?
日本の昔のテレビ番組ではユリ・ゲラーとして”スプーンを曲げる超能力が使えるという自称有名人。
明らかにユンゲラーというポケモンがユリゲラーの名前に似ているのだから、確かに元ネタなのだろう。だがそれで裁判を起こした。
結果は法廷でスプーン曲げてみ?>出来ないからあなたは超能力者ではないですよね?と任天堂が勝った。

でもこれ普通に元ネタの人がホントに超能力が使えてたら負けてたハズだ。

それと同様なことが同人誌でも言える。
例えばあるゲームソフトでエッチな同人誌を作って裁判されたとしても、あなたの会社のゲームのそのキャラはこんなエッチな事するんですか?
しませんよね?だからこのキャラは私のオリジナルのキャラクターです!~~と言い張ることもできる。

でもそういったことがまかり通ってしまってもダメなことが分かるだろう。

ポケモン同人誌のこともよく例に上がるが、二次創作での原著作者の親告罪って誰に申告するかっていうと警察。
企業として沢山法人税を払ってると動きやすい。

でもいきなり逮捕にはならないのが普通だ。
通常は初犯というか最初のケースでは厳重注意で見逃される。よっぽど悪質だったりそっくりなのが話題になったとかでなければ、普通は前科もつかないだろう。
とはいえそんな目に合えばその人は二度とエッチな同人誌はつくらないだろう。企業の牽制としてはそれでいいはずだ。
だがそういった噂も大きくなればIP(知的財産)としての価値も下がり、デメリットもあるのだ。

例としてはDLsiteなどのダウンロードサイトではCCさくらや攻殻機動隊といった原作が、講談社からの申告があって取り扱えなくなった。
まあエロが中心なのでそれも正しい判断だし権利だろう。
だがCLAMPの原作サイドとしては把握してなかった面もあったようだ。同人から出て来た人だしね。
結果講談社の同人作品がなくなるだけになった。その結果と言えるかどうかわからないが、ポストCCさくらとしてリリカルなのはシリーズが台頭してきたというのもある。

色々書いたが、二次創作も原作もどちらも著作物だ。
一定の距離感とバランスが大切だし、誰だってされたら嫌なことはやるべきではない。

それは当たり前のことだ。

だが今はどうだろうか?
コミックマーケット以外の地方の同人誌即売会はコスプレイヤーに侵食されつくし、売れないからと二次創作の同人誌を作る若者も少なくなった。
ネットで作品を無償公開するのが主流になってしまったが、そうなるとハッシュタグで検索され、賞賛されるのは二次創作ばかりだ。
その結果、若者が二次創作を目の敵にするようになったのではないか?
良くない傾向だ。

好きになる作品を作るというのは、誰かの作品を好きになる経験から芽生え育つ。

確かに流行りの作品を模せば評価も得られる。だがそれは決して大きなお金にしてはいけないものだ。いずれ卒業すべきクリエイターの段階だろう。

途中の段階だからこそだからこそ二次創作を必要以上に貶すべきではない。

著作物を作っているという自信を持とう。それはプロとして収入を得ることを目指すにはどうしたらいいかもわかるはずだ。

オリジナルに挑戦してそれを売ることだ。