閉鎖予定のコミュニティの記事を一部移植しようと思う。
Xにアップしたのだが、プレミアムの記事内の画像位置の変更がいつの間にかできなくなってるようなので。
マスピ顔・・・剽窃AIで有名になってしまったが、個人的には鼻を描かない、もしくはゴマ粒みたいな点を描くだけ。かわりに顔に三角のハイライトを描くのが大きな特徴だ。
これはアニメでも漫画でもゲームでもなかった特徴であり、イラストレーターとか絵師とか言う類の絵描きが独自性と勘違いさせるために好んで使う手法・・と解釈している。
だがこれがどんどん一般化してしまった。
少しづつだがアニメにも導入され始めている。
形態としては女性などは肌のしっかりとした立体感を出さないために、色差の少ない三角形のハイライトを描く。男性は逆に影を三角形で描く。
つまり線で表現してないのである。
漫画原作などが多いアニメなどからはなかなか生まれない特徴だろう。
同時に省労力化と見た目のクオリティが高いように見せる効果もある。
少しアニメの歴史を振り返ろう。
歴史的に言うと80~90年代。ロボットアニメとその作画向上でキャラの顔を物体として描く手法がアニメ業界を中心に生まれた。
そしてより作画のレベルが高いものが売れる傾向を生み出した。
その後漫画原作を主体としたアニメ制作が増え、デジタルツールの導入により、線画の作画の労力が高くなり、同時に影色の作業の労力の軽減を狙ってのことである。
漫画原作というものは基本的に線が主体だ。スクリーントーンをバリバリ貼って影を表現する漫画がないわけではないがアニメでは少ない。
つまりあまり顔に影を入れない方が原作っぽくなり、今では正面を向いている顔では髪の毛の影が申し訳程度に入るぐらいに顔に影を入れることをなくしていった。
そしてマスピ顔ハイライトの導入の時代がやってきてしまった。
これがまったく新しい手法かというとそれほどでもない。
例としてはストリートファイターII Xでのキャラクター選択画面。
チュンリーの女性キャラの顔グラフィックなどで、影を描かないという手法はあった。その分色数を肌の微妙なグラデーション差で抑えられるのだ。
ある意味で”おしろい表現”なので日本では浮世絵時代からおなじみといえばおなじみだ。
だがそれは版画とか16色制限といった制限から生まれたものだ。
制限がない現代に、影を描かないという手抜きを究極化するために、目立たないハイライトを大きく描くというのは・・・正直没個性化を進めているのではないかと心配するところではある。